製品基本Q&A(ガーダシル®)
製品基本Q&A
ガーダシル®(組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来))
製品情報
扁平上皮内病変(Squamous Intraepithelial Lesion:SIL)から守る(Guard)ことの意から(Guard+SIL)、GARDASIL®と命名されました。
<引用>
インタビューフォーム Ⅱ.名称に関する項目
本剤の電子添文には、下記のとおり記載されています。
4.効能又は効果
HPV(ヒトパピローマウイルス)6、11、16及び18型の感染に起因する以下の疾患の予防
子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))
外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3
肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2及び3)
尖圭コンジローマ
5.効能又は効果に関連する注意
5.1 HPV6、11、16及び18型以外のHPV感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)、肛門癌(扁平上皮癌)又はその前駆病変等の予防効果は確認されていない。
5.2 扁平上皮癌以外の肛門癌に対する予防効果は確認されていない。
5.3 接種時に感染が成立しているHPVの排除及び既に生じているHPV関連の病変の進行予防効果は期待できない。
5.4 本剤の接種は定期的な子宮頸癌検診の代わりとなるものではない。本剤接種に加え、子宮頸癌検診の受診やHPVへの曝露、性感染症に対し注意することが重要である。
5.5 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。
<引用>
電子添文
2020年12月25日、ガーダシル®は男性への適応追加が承認されましたので、接種可能です。
適応追加:
・9歳以上の男性への使用
・HPV6、11、16及び18型の感染に起因する肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2及び3)
適応追加の申請日:2020年2月12日
適応追加の承認日:2020年12月25日
本剤の電子添文には、下記のとおり記載されています。
18.薬効薬理
18.1. 作用機序
本剤はHPVヒトパピローマウイルスのL1たん白質からなるウイルス様粒子(VLP)を含有する。このVLPは野生型ウイルス粒子に類似したたん白質であるが、ウイルス由来のDNAを含まないため、細胞への感染能及び増殖能はない。このたん白質はHPVに関連した疾病の原因にはならない。HPVはヒトにのみ感染するが、ヒト以外の動物のパピローマウイルスを用いた試験により、VLPワクチンは液性免疫を惹起することにより、その効果を発揮すると考えられる。
<引用>
電子添文
23G~25Gの注射針が推奨されます。これより細い針は懸濁液が通らない可能性があるためおすすめできません。
<添付の有無>
注射針は添付されていません。あらかじめ注射針を用意してください。
被接種者の年齢や体型を考慮し、注射針は筋肉内に十分到達する長さのものを選んでください(1)。
<推奨するメーカー>
推奨する注射針のメーカー等はありません。
<引用>
電子添文
使用方法
本剤の電子添文には、下記のとおり記載されています。
6.用法及び用量
9歳以上の者に、1回0.5mLを合計3回、筋肉内に注射する。通常、2回目は初回接種の2ヵ月後、3回目は6ヵ月後に同様の用法で接種する。
7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 接種間隔
1年以内に3回の接種を終了することが望ましい。なお、本剤の2回目及び3回目の接種が初回接種の2ヵ月後及び6ヵ月後にできない場合、2回目接種は初回接種から少なくとも1ヵ月以上、3回目接種は2回目接種から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施すること。
7.2 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。[14.1.1参照]
14.適用上の注意
14.1 薬剤接種時の注意
14.1.1 接種時
(6)本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。[7.2参照]
<引用>
電子添文
本剤の電子添文には、以下のように記載されています。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。[9.1.7参照]
17.3.6 妊娠に対する影響
外国の臨床試験において、3回接種の完了前に妊娠が判明した場合は、出産後まで残りの接種を延期した。このような非標準的(所定の用法・用量に準拠しない)投与でも、3回投与後のHPV6、11、16及び18型に対する免疫応答は、通常の0、2及び6ヵ月時の接種を受けた女性と同様であった。
妊娠中の女性を対象に、対照群を設けて適切に実施された試験はない。しかし、外国の第Ⅲ相臨床試験において、少なくとも1回の妊娠を報告した女性は3,819人(本剤接種群1,894人、プラセボ接種群1,925人)であった。妊娠の転帰が判明している女性(人工妊娠中絶を除く)のうち、自然流産、後期胎児死亡又は先天異常であった妊娠の割合は、本剤接種群では22.6%(446/1,973件)、プラセボ接種群では23.1%(460/1,994件)であった。
さらに、推定受胎日が本剤又はプラセボ接種の30日以内と30日を超えた場合に分けて妊娠を評価するため、サブ解析を実施した。推定受胎日が接種後30日以内の妊娠では、本剤接種群において5例の先天異常が認められたのに対し、プラセボ接種群では1例であった。
一方、推定受胎日が接種より30日を超えた妊娠では、本剤接種群において40例の先天異常が認められたのに対し、プラセボ接種群では33例に認められた。観察された先天異常の種類は、接種と妊娠の時間的関係にかかわらず、16~45歳までの女性に一般的に認められるものと一致した。
9.6 授乳婦
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤及び本剤に対する抗体がヒト乳汁中へ移行するかは不明である。
<引用>
電子添文
各回の接種間隔が延びた場合でも最初から接種をやり直す必要はなく、残りの回数を接種して下さい。
電子添文では、接種間隔の上限は厳格には規定されていないものの、初回接種から1年以内に3回の接種を終了することが望ましいとされています。
〔接種再開の際の対応〕
<初回接種後に遅延又は中断されていた場合>
2回目の接種をできるだけ早急に行い、3回目接種は2回目接種から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施してください(添付文書記載)。
<2回目接種後に遅延又は中断されていた場合>
3回目の接種をできるだけ早急に行ってください。
電子添文
6.用法及び用量
9歳以上の者に、1回0.5mLを合計3回、筋肉内に注射する。
通常、2回目は初回接種の2ヵ月後、3回目は6ヵ月後に同様の用法で接種する。
7.用法及び用量に関連する注意
7.1 接種間隔
1年以内に3回の接種を終了することが望ましい。
なお、本剤の2回目及び3回目の接種が初回接種の2ヵ月後及び6ヵ月後にできない場合、2回目接種は初回接種から少なくとも1ヵ月以上、3回目接種は2回目接種から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施すること。
免疫学的には、接種間隔が短い場合は持続的な反応が劣る可能性が指摘されていますが、接種間隔が長期になった場合には良好な反応が得られるとされているためです(1)。
海外試験の結果では、2回目や3回目の接種が遅れた場合でも、抗体反応は良好で、通常のスケジュールに劣らなかったことが示されています(2)(3)(4)。
<引用>
(1)Siegrist CA, Eberhardt CS. Chapter 2 – Vaccine Immunology. In: Plotkin’s Vaccines. 8th ed. Elsevier; 17-36.e7.
(2)Widdice LE et al. Vaacine. 2018;36(6):881-889.
(3)Zimmerman RK et al. J Womens Health. 2010;19(8):1441-7.
(4)LaMontagne DS et al. J Infect Dis. 2013;208(8):1325-34.
世界保健機関(World Health Organization:WHO)のPosition paperでは、データは継続評価中であるが、初回接種から数年後に追加接種が必要であることを示唆するエビデンスはないとされています(1)。
HPVワクチンの安全性、有効性は継続してモニタリングされています。米国予防接種諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices:ACIP)は、有効性が経時的に減衰するというデータはないとしています(2)。
<引用>
(1)Human papillomavirus vaccines:WHO Position paper, December 2022 (Duration of protectionの項).
(2)CDC Human Papillomavirus (HPV) Vaccination: What Everyone Should Know ”How Well Do These Vaccines Work?”
[電子添文記載:重要な基本的注意] :本剤と他のHPVワクチンの互換性に関する安全性、免疫原性、有効性のデータはない。
異なる種類のワクチンを交互接種した場合の有効性、安全性について十分なデータはないので、原則は同じワクチンで接種を完了してください。
定期接種実施要領では、原則は同じ種類のワクチンで実施するとしながら、市町村長がやむを得ない事情があると認める場合には、2価または4価HPVワクチンで規定の回数の一部を完了し、9価HPVワクチンで残りの回数の接種を行う交互接種も差支えないとする考え方が示されています(1)。
なお、予防接種基本方針部会では、2価または4価HPVワクチン接種後に9価HPVワクチンを接種してスケジュールを完了する場合、初回接種時に15歳未満であっても計3回の接種が必要であるとしています(2)。
<2価・4価HPVワクチンと9価HPVワクチンとの交互接種について(3)>
「HPVワクチンに関する情報提供資材・医療従事者の方へ」には以下の様に記載されています。
・HPVワクチンの接種は、原則、同じ種類のワクチンで実施します。しかしながら、2価または4価HPVワクチンで規定の回数の一部を完了し、9価HPVワクチンで残りの回数の接種を行う交互接種についても、実施して差し支えないこととしています。
・世界保健機関(WHO)や諸外国の保健機関においても、基本的には同じ種類のワクチンでの接種が推奨されています。しかしながら、やむを得ない場合には、交互接種も許容されています。また、現時点において、交互接種における免疫原性や安全性に関する懸念は報告されていません。
・接種にあたっては、被接種者と保護者に対し、十分な説明を行った上で実施してください。
・なお、2価または4価HPVワクチンで接種を開始し、定期接種として9価HPVワクチンで接種を完了する場合は、9価HPVワクチンの接種方法に合わせ、1回目と2回目の間隔を1か月以上、2回目と3回目の間隔を3か月以上空けて接種します。また、キャッチアップ接種の対象者についても、交互接種を実施して差し支えありません。
電子添文
8. 重要な基本的注意
8.1 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
<引用>
(1)定期接種実施要領 厚生労働省
(2)厚生労働省 第45回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(資料2 組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(9価HPVワクチン)について) (令和5年3月7日開催)
(3)HPVワクチンに関する情報提供資材・医療従事者の方へ 厚生労働省
1年以内に3回接種できない場合(接種が中断された場合)でも、初回からやり直す必要はありません(1)(2)。
推奨スケジュールは、0、2、6ヵ月です。
(電子添文記載:「通常、2回目は初回接種の2ヵ月後、3回目は6ヵ月後に同様の用法で接種する。」「1年以内に3回の接種を終了することが望ましい。」)
<初回接種後に中断された場合>
2回目の接種をできるだけ早急に行い、3回目接種は2回目接種から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施してください(電子添文記載)。
<2回目接種後に中断された場合>
3回目の接種をできるだけ早急に行ってください。
<引用>
(1)日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会 編集・監修. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編. 2023:59.
(2)Meites E et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep.2016;65(49):1405-1408.
すでに病変がある人(尖圭コンジローマを含む)、検診で異常があった人にも、接種を行うことは可能です(1)(2)。ただし、存在している病変を改善する効果はありません(1)(2)。
HPVワクチンに含まれる全ての型に感染している可能性は低いとされるため、感染していないHPV型による疾患予防にワクチン接種は十分意義があります(1)(2)。
産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023では、「既往感染者や子宮頸部細胞診陽性者に対してもワクチンが有害となることはないので、海外ガイドラインでは接種に際して子宮頸部細胞診やHPV検査を義務づけていない。これらの女性に対してもまだ感染していない方の将来の感染を予防することが期待できる点で接種する価値があるので、希望があれば接種してもよい。既往を含む細胞診異常の女性、ハイリスクHPV検査陽性の女性、尖圭コンジローマや子宮頸部軽度異形成の女性などをワクチンの対象から除外する必要はない。しかし、感染を治癒する効果はないため、子宮頸がん検診の重要性を接種時には改めて伝える配慮が必要である。」としています(1)。
なお、接種によって病変が悪化したり、がん化を促進したりすることはありません。
副反応が増強することもありません。
<引用>
(1)日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会 編集・監修. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編. 2023:52-53.
(2)Markowitz LE et al. MMWR Recomm Rep. 2014;63(RR-05):1-30.
安全性
本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。
8.重要な基本的注意
8.1 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保つよう指導すること。また、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合は、速やかに医師へ連絡するよう指導すること。
8.4 ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
8.5発生機序は不明であるが、ワクチン接種後に、注射部位に限局しない激しい疼痛(筋肉痛、関節痛、皮膚の痛み等)、しびれ、脱力等があらわれ、長期間症状が持続する例が報告されているため、異常が認められた場合には、神経学的・免疫学的な鑑別診断を含めた適切な診療が可能な医療機関を受診させるなどの対応を行うこと。
8.6 本剤と他のHPVワクチンの互換性に関する安全性、免疫原性、有効性のデータはない。
<引用>
電子添文
男女を対象とした国内臨床試験における主な副反応は、注射部位疼痛、注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位そう痒感、発熱、頭痛などが報告されています。
<引用>
電子添文
日本小児科学会予防接種感染対策委員会の声明「予防接種後の失神に対する注意点ついて」には、 「下肢を軽く挙上し安静臥床させる。必要に応じて輸液や酸素投与を行う.」とあります(1)。
<引用>
(1)日本小児科学会 予防接種感染対策委員会声明:予防接種後の失神に対する注意点ついて
臨床試験における検討では、日本人に特有の副反応があったということは特に報告されていません。
男性、女性ともに国内臨床試験と海外臨床試験において、安全性プロファイルは同様であったとされています。
接種後のCRPSや広範囲にわたる疼痛の正確な発現頻度は不明です。
なお、CRPS(複合性局所疼痛症候群)の報告件数については、令和5年7月28日に開催された副反応検討部会資料にて14件[平成25年4月(定期接種開始)から令和5年3月報告分まで]となっています(1)。
「重篤な接種側上肢に限局しない広範囲にわたる疼痛を来した症例」については、平成25年12月25日に開催された副反応検討部会資料にて以下のように記載されています。
<世界>(2)
「国際的な製造販売開始(2006年6月)から2013年3月31日までの、日本を除く世界における推定出荷数量は約11,938万回分で、同期間に収集された、重篤な「CRPSとして報告された症例」は13例(発生率:10万接種あたり0.011例)、重篤な「接種側上肢に限局しない広範囲にわたる疼痛を来した症例」は30例(発生率:10万接種あたり0.025例)でした。」
<日本>(3)
「販売開始(2011年8月26日)から2013年9月30日までの国内における医療機関納入数量は、1,867,044回分で、同期間に収集された重篤な「接種側上肢に限局しない広範囲にわたる疼痛を来した症例」は25例(報告率10万接種あたり1.34例)でした。」
<引用>
(1)第94回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料2-9:HPVワクチン(ガーダシル)の副反応疑い報告状況について
(2)平成25年度第6回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成25年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)第二部 資料11: 海外の状況について
(3)同上 資料8: 子宮頸がん予防ワクチン接種後の疼痛関連症例等について
その他
本剤の電子添文には、以下のように記載されています。
14.1 薬剤接種時の注意
14.1.1 接種時
(1) 誤って凍結させたものは品質が変化しているおそれがあるので、使用してはならない。
(2) 冷蔵庫から取り出し室温になってから使用すること。
(3) 冷蔵庫から取り出した後は速やかに使用すること。冷蔵庫から取り出し(25度以下)、72時間以上放置してはならない。
(4) 使用前に十分に振り混ぜること。懸濁状態を維持するため、振り混ぜた後、速やかに投与すること。
(5) 使用前には必ず、異常な混濁、着色、異物の混入その他の異常がないかを確認すること。本剤は振り混ぜた後、白濁した液剤である。異物や着色が認められた場合には、破棄すること。
(6) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。[7.2参照]
(7) 本剤は供給時の状態で使用し、希釈又は溶解する必要はない。0.5mLを投与すること。
(8) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
14.1.2 接種部位
(1) 通常、上腕三角筋又は大腿前外側部とし、アルコールで消毒した後、接種する。
(2) 組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
・ 針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
・ 神経走行部位を避けること。
・ 注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
<引用>
電子添文
貯法
2~8℃、凍結を避けること
20.取り扱い上の注意
外箱開封後は遮光して保存すること。
<引用>
電子添文
海外において、複数の臨床試験が実施されています。
海外の検討では、3回目の接種が遅れた場合でも、通常のスケジュールの場合と比較して抗体反応は良好だった、もしくは、劣らなかったことが報告されています(1)(2)(3)(4)。
<米国の報告(1)>
9~18歳の女性(N=331)で、3回目の接種のみ遅れた人(2~3回目の中央値:322日[範囲:182~1533])は、通常スケジュールの人よりも3回接種後の抗体価はHPV6,11,16型で有意に高い値でした。(18型は高い傾向が認められたものの、有意差はありませんでした)
2回目も3回目も遅れた人(1~2回目の中央値:371日[範囲:91~1144]、2~3回目の中央値:374日[範囲:185~893])は、通常スケジュールの人と比較して、3回接種後の抗体価に差は認められませんでした。
<米国の報告(2)>
9~17歳の女性(N=1,321)で、
3回目の接種のみ遅れた群[2~3回目の中央値:381日(範囲:240~1893)]または
2回目も3回目も遅れた群[1~2回目の中央値:392日(範囲:122~1106)、2~3回目の中央値:392日(範囲:241~1251)]は、
通常スケジュール群の抗体反応に劣らなかったことが示されました。
また3回目の接種のみ遅れた群では、通常スケジュール群と比較して優越性が示されました。
<その他>
以下のスケジュールを検討した海外の臨床試験でも、通常のスケジュールの抗体反応に劣らなかったことが示されています。
・初回、2カ月後、12カ月後(3)
・初回、3カ月後、9カ月後(4)
・初回、6カ月後、12カ月後(4)
・初回、12カ月後、24カ月後(4)
<引用>
(1)Russell K et al. Vaccine. 2015;33(16):1953-8.
(2)Widdice LE et al. Vaacine. 2018;36(6):881-889.
(3)Zimmerman RK et al. J Womens Health. 2010;19(8):1441-7.
(4)LaMontagne DS et al. J Infect Dis. 2013;208(8):1325-34.
海外において、複数の臨床試験が実施されています。
2回目の接種が遅れた場合でも抗体反応は良好で、通常のスケジュールの場合と比較して差は認められなかった、もしくは、劣らなかったことが報告されています(1)(2)(3)。
<米国の報告(1)>
9~18歳の女性(N=331)で、
2回目の接種のみ遅れた人[1~2回目の中央値:371日(範囲:91~1602)]または
2回目も3回目も遅れた人[1~2回目の中央値:371日(範囲:91~1144)、2~3回目の中央値 374日(範囲:185~893)]は、
通常スケジュールの人と比較して、いずれも3回接種後の抗体価に差は認められませんでした。
<米国の報告(2)>
9~17歳の女性(N=1,321)で、
2回目の接種のみ遅れた群[1~2回目の中央値:372日(範囲:120~1975)]または
2回目も3回目も遅れた群[1~2回目の中央値:392日(範囲:122~1106)、2~3回目の中央値:392日(範囲:241~1251)]は、
通常スケジュール群と比較して、いずれも3回接種後の抗体価に差は認められませんでした。
<その他>
以下のスケジュールを検討した海外の臨床試験でも、通常のスケジュールの抗体反応に劣らなかったことが示されています(3)。
・0カ月(初回)、3カ月後、9カ月後
・0カ月(初回)、6カ月後、12カ月後
・0カ月(初回)、12カ月後、24カ月後
<引用>
(1)Russell K et al. Vaccine. 2015;33(16):1953-8.
(2)Widdice LE et al. Vaacine. 2018;36(6):881-889.
(3)LaMontagne DS et al. J Infect Dis. 2013;208(8):1325-34.
下記は2021年3月現在の情報です(1)。
<承認>
ガーダシル®は130以上の国又は地域で承認されています。
ガーダシル®は120以上の国又は地域で男性適応が承認されています。
<公費助成>
110以上の国と地域でHPVワクチン接種に対して公費助成が行われています。
50以上の国と地域で、男女両方にHPVワクチンを接種するプログラムが導入されています。
(ガーダシル®が男女両方の接種プログラムに導入されている国:イギリスなど(2))
なお、米国、カナダ、オーストラリアではガーダシル®は販売終了となり、シルガード®9に切り替わっています。
<引用>
(1)社内資料
(2)Guidance:Complete routine immunisation schedule, Public Health England
<女性>
■16~26歳女性:FUTUREⅡ試験のフォローアップ試験(015-21試験)
予防効果:HPV16及び18型に関連したCIN2/3、AIS又は子宮頸癌の発生はありませんでした。(3回接種後からの期間 中央値:11.9年、最大値:14年、対象被験者数2,536例)
免疫反応:初回接種後14年時のHPV6、11、16及び18型の抗体陽性率はそれぞれ90.6%、91.1%、98.3%及び52.4%でした。
■24~45歳女性:FUTUREⅢ試験のフォローアップ試験(019-21試験)
予防効果:HPV6、11、16及び18型に関連したCIN、AIS又は尖圭コンジローマの発生はありませんでした。(3回接種後からの期間 中央値:8.7年、最大値:10.1年、対象被験者数685例)
免疫反応:初回接種後10年時のHPV6、11、16及び18型の抗体陽性率はそれぞれ78.7%、85.0%、93.9%及び35.9%でした。
■9~15歳女性:海外臨床試験(018-11試験)
予防効果:HPV16型に関連した持続感染が3例にみられ、HPV6、11、16及び18型に関連した子宮頸癌、CIN、AIS、VIN、VaIN又は尖圭コンジローマの発生はありませんでした。(3回接種後からの期間 中央値:10.0年、最大値:10.7年、対象女性被験者数369例)
免疫反応:初回接種後10.5年時のHPV6、11、16及び18型の抗体陽性率はそれぞれ91.0%、90.1%、97.7%及び61.4%でした。
<男性>
■16~26歳男性:海外臨床試験(020-21試験)
予防効果:HPV6及び11型に関連した尖圭コンジローマ、並びにHPV6、11、16及び18型に関連した性器周辺部病変の発生はありませんでした。(3回接種後からの期間 中央値:9.5年、最大値:11.5年、対象被験者数917例) また、MSMサブスタディにおいて、HPV6、11、16及び18型に関連したAIN2/3の発生はありませんでした。
免疫反応:初回接種後10年時のHPV6、11、16及び18型の抗体陽性率はそれぞれ79.1%、79.9%、94.9%及び40.2%でした。
■9~15歳男性:海外臨床試験(018-11試験)
予防効果:HPV6及び16型に関連した持続感染が5例にみられ、HPV6、11、16及び18型に関連した性器周辺部病変の発生はありませんでした。(3回接種後からの期間 中央値:9.9年、最大値:10.6年、対象男性被験者数326例)
免疫反応:初回接種後10.5年時のHPV6、11、16及び18型の抗体陽性率はそれぞれ86.6%、87.2%、94.1%及び59.6%でした。
<引用>
電子添文
予防接種法に基づく定期接種の接種間隔は、民法を根拠に解釈されます。
暦に従って期間の末日を計算しますので、「1月の間隔を置く」とは、翌月の同日の前日に1ヵ月経過したと考えます(1)。したがって、翌月の同日から接種可能になり、翌月に同日となる日が存在しない場合には、翌月最終日の翌日(つまり1日)から接種可能になります(1)。
(例:1月15日→2月15日、1月31日→3月1日)
なお実施主体である自治体により上記の解釈と異なる場合があります。
<引用>
(1)民法第143条