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第4回 「継続的にGrade評価をしよう!がん治療における倦怠感について」

がん看護KEY通信 レベルアップ! CTCAE編

第4回 「継続的にGrade評価をしよう!がん治療における倦怠感について」

キイトルーダ®のirAEを早期発見するためには、検査値を継続的に確認し、CTCAE(有害事象共通用語規準:Common Terminology Criteria for Adverse Events)のGrade評価を行うことが大切です。今回は、がん治療中の患者さんに生じる倦怠感に注目して、CTCAEのGrade評価のポイントをご紹介します。

倦怠感の原因は?検査値のGrade評価で確認!

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マンガ制作:トレンド・プロ

続きはこのメールの最後をご覧ください!

倦怠感の原因は何?継続して検査値の観察をしよう

キイトルーダ®使用中の患者さんが倦怠感を訴えた場合、副腎機能不全、甲状腺機能障害、下垂体機能障害など内分泌障害関連irAEの可能性が考えられます。検査値の確認に加え、症状のGrade評価をすることで、適切な対応につなげることができます。

表:内分泌障害関連の検査値
表:内分泌障害のGrade例

(注)キイトルーダ®電子添文における副作用の対処法は、CTCAE v4.0に準じることとしています。

玉木 秀子 先生
玉木 秀子 先生

ここがポイント!

倦怠感はよくみられる症状で、がん自体または随伴症状やirAEなど、さまざまな原因によって起こります。
倦怠感を見逃さないよう、またirAEとしての倦怠感に気づけるように、継続した検査値の確認とCTCAEによるGrade評価を習慣づけることが大事です。

ピックアップ!

患者さんの負担を減らし、治療を継続するために

患者さんには身体的・精神的・経済的等、常にさまざまな負担がかかっています。irAE早期発見に臨床検査は不可欠ですが、検査項目に漏れがあると、追加検査をお願いするなど、患者さんにさらなる負担をかけてしまいます。
漏れがないよう、医師や薬剤師と連携して検査オーダーの確認を意識するようにしましょう。特に、同月内に1回検査を実施済みの項目は要注意です。

玉木 秀子 先生
玉木 秀子 先生

ここがポイント!

特にGrade2の甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモン補充療法により臨床的に安定していれば、キイトルーダ®の投与が継続可能なirAEです。そのためにもタイムリーな検査値の確認と適切なGrade評価が重要です。

「irAEナビ」は、副作用名または症状からirAEについて調べることができます。患者さんに気になる症状がみられたときは、ぜひご活用ください。

玉木 秀子 先生

ワンポイントアドバイス!

irAEの早期発見・対応のために、またキイトルーダ®による治療継続のためにも、経時的な検査値の観察とGrade評価は欠かせません。そして患者さん自身でも自分の症状に気づけるよう、セルフケアの視点を持ってもらうことが大切です。

コンテンツ監修
埼玉医科大学国際医療センター 看護部 副部長 がん看護専門
看護師・がん化学療法看護認定看護師  玉木 秀子 先生

ワンポイントアドバイス!
キイトルーダ®によるirAE発現時には
キイトルーダ®の電子添文及び適正使用ガイドを
ご参照の上、ご対応ください。
次号は「今までと比べてどうなった?ベースラインとの比較をしよう」を配信予定です。CTCAEを用いたGrade評価をする際、患者さんのベースラインを確認することの重要性とそのポイントを解説します。