薬物動態:臨床試験で確認された血中濃度
薬物動態:臨床試験で確認された血中濃度
1. 錠剤1)
1)承認時評価資料(日本人健康被験者を対象とした錠剤の単回・反復経口投与及び単回静脈内投与試験:P067試験)
1)単回投与(健康成人、P067試験)
日本人健康成人において、ノクサフィル®錠のTmax(中央値)は4~5.5時間であり、200~600mgの用量範囲で単回投与した際、ポサコナゾールの薬物動態は概して用量比例性を示しました。
Tmaxは中央値(範囲)、それ以外の各薬物動態パラメータは平均値(変動係数%)
2)反復投与(健康成人、P067試験)
日本人健康成人にノクサフィル®錠200又は400mgを10日間反復経口投与(初日は1日2回、2日目以降は1日1回投与)した際のポサコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは以下のとおりでした。
Tmaxは中央値(範囲)、それ以外の各薬物動態パラメータは平均値(変動係数%)
2. 点滴静注
1)単回投与(健康成人、P067試験)1)
日本人健康成人にノクサフィル®静注液300mgを30分間かけて単回点滴静注した際のポサコナゾールの血漿中薬物動態パラメータの平均値(変動係数)は、AUC0-∞が48,400ng・hr/mL(15%)、Cmaxが3,300ng/mL(41%)、消失半減期が21.8時間(13%)、クリアランスが6.32L/hr(16%)でした。
Tmaxは中央値(範囲)、それ以外の各薬物動態パラメータは平均値(変動係数%)
2)日本人侵襲性真菌症(治療)患者2)
2)社内資料(日本人患者における錠剤及び注射剤の母集団薬物動態(PPK)解析)
① 経口投与【錠剤】
母集団薬物動態モデルに基づき推定された日本人深在性真菌症治療患者に1回300mgで初日は1日2回、2日目以降は1日1回でノクサフィル®錠を経口投与した際の定常状態におけるポサコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは以下のとおりでした。
幾何平均(幾何変動係数%)
② 静脈内投与【点滴静注】
母集団薬物動態モデルに基づき推定された日本人深在性真菌症治療患者に1回300mgで初日は1日2回、2日目以降は1日1回でノクサフィル®静注液を点滴静注した際の定常状態におけるポサコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは以下のとおりでした。
幾何平均(幾何変動係数%)
3)侵襲性真菌症(予防)患者(外国人データ)
① 経口投与【錠剤】(P05615試験)3)
3)承認時評価資料(錠剤を用いた侵襲性真菌症予防に対する海外第Ⅰ/Ⅲ相試験:P05615試験)
外国人侵襲性真菌症ハイリスク患者(急性骨髄性白血病又は骨髄異形成症候群患者及び造血幹細胞移植患者)に、ノクサフィル®錠300mgを単回経口投与及び反復経口投与(1日目は1日2回、2日目以降は1日1回)した際の血漿中薬物動態パラメータは、以下のとおりでした。
投与8日目のτmaxの中央値は4時間、定常状態のCavgの平均値は1,580ng/mLでした。定常状態のCavgの範囲は510ng/mLから3,450ng/mLであり、すべての被験者(50/50例)が目標曝露量(定常状態のCavg500 ng/mL以上)に到達しました。
平均値(変動係数%)
τ:投与間隔(投与1日目は12時間、8日目は24時間)
※1:中央値(範囲)
※2:Cavg=AUC0-τ/τ
② 静脈内投与【点滴静注】(P05520試験)4)
4)承認時評価資料(静注液と経口懸濁液の侵襲性真菌症予防に対する海外第Ⅰ/Ⅲ相試験:P05520試験)
外国人侵襲性真菌症ハイリスク患者(急性骨髄性白血病又は骨髄異形成症候群患者及び造血幹細胞移植患者)にノクサフィル®静注液300mgを静脈内反復投与(1日目は1日2回、その後は投与10日目又は14日目まで1日1回)した際の血漿中薬物動態パラメータは以下のとおりでした。定常状態のCavgの平均値は1,500ng/mLであり、すべての被験者(49/49例)が目標曝露量(定常状態のCavg500ng/mL以上)に到達しました。
平均値(変動係数%)
τ:24時間
※1:中央値(範囲)
※2:Cavg=AUC0-τ/τ
4. 効能又は効果
○造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防
○下記の真菌症の治療
侵襲性アスペルギルス症、フサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫
6. 用法及び用量
錠100mg
通常、成人にはポサコナゾールとして初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は300mgを1日1回経口投与する。
点滴静注300mg
通常、成人にはポサコナゾールとして初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は300mgを1日1回、中心静脈ラインから約90分間かけて緩徐に点滴静注する。