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PIONEER 2:エンパグリフロジンとの比較検討試験(海外データ)

本邦において承認されたエンパグリフロジンの2型糖尿病に対する用法及び用量は、「通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。」である。本試験は、原著論文として学術雑誌に掲載されたもので、厳正な査読を受けた試験成績であるため掲載する。

海外第3相臨床試験:PIONEER 2

2型糖尿病患者を対象とした、エンパグリフロジンとの比較検討試験(海外データ)

Rodbard HW et al.:Diabetes Care 42(12):2272-2281, 2019
本試験はノボ ノルディスク社のスポンサーシップにより実施された。

■試験概要

■HbA1cの変化量と推移

HbA1cのベースラインから投与後26週までの変化量のリベルサス®14mg群とエンパグリフロジン25mg群のETDは–0.4%(95%CI[–0.6;–0.3]、p<0.0001)であり、リベルサス®14mgのエンパグリフロジン25mgに対する優越性が検証された。
ベースラインのHbA1cは、リベルサス®14mg群、エンパグリフロジン25mg群ともに8.1%であった。投与後26週までのHbA1cの変化量はリベルサス®14mg群で–1.3%、エンパグリフロジン25mg群で–0.9%であった。

ベースラインから投与後26週までの変化量(主要評価項目)/投与後52週間のHbA1cの変化量の推移

■HbA1c目標達成率

投与後26週にHbA1c目標値(7.0%未満)を達成した患者の割合は、エンパグリフロジン25mg群と比較してリベルサス®14mg群で有意に高かった(p<0.0001)。

投与後26週におけるHbA1c<7.0%達成率(副次的評価項目)

■空腹時血糖値の変化量と推移

空腹時血糖値のベースラインから投与後26週までのリベルサス®14mg群とエンパグリフロジン25mg群のETDは0.4mg/dL(95%CI[–4.3;5.0]、p=0.8812)であり、両群間に有意差はなかった。
ベースラインの空腹時血糖値はリベルサス®14mg群で171.5mg/dL、エンパグリフロジン25mg群で174.0mg/dLであった。投与後26週までの空腹時血糖値の変化量はリベルサス®14mg群で–35.9mg/dL、エンパグリフロジン25mg群で–36.3mg/dLであった。

ベースラインから投与後26週までの変化量(副次的評価項目)/投与後52週間の空腹時血糖値の変化量の推移

■7点血糖値プロファイル(SMBG)

7点血糖値プロファイルの平均のベースラインから投与後26週までの変化量のリベルサス®14mg群とエンパグリフロジン25mg群のETDは–5.0mg/dL(95%CI[–9.5;–0.6]、p=0.0267)であり、エンパグリフロジン25mg群と比較してリベルサス®14mg群で有意な低下を示した。
食後血糖増加量のベースラインから投与後26週までの変化量のリベルサス®14mg群とエンパグリフロジン25mg群のETDは–2.5mg/dL(95%CI[–6.6;1.6]、p=0.2388)であり、両群間に有意差はなかった。

7点血糖値プロファイルの平均のベースラインから投与後26週までの変化量(副次的評価項目)
食後血糖増加量のベースラインから投与後26週までの変化量(副次的評価項目)

■<参考情報> 体重への影響

体重のベースラインから投与後26週までの変化量のリベルサス®14mg群とエンパグリフロジン25mg群のETDは–0.1kg(95%CI[–0.7;0.5]、p=0.7593)であり、リベルサス®14mgのエンパグリフロジン25mgに対する優越性は検証されなかった。

ベースラインから投与後26週までの変化量(検証的副次的評価項目)/投与後52週間の体重の変化量の推移

■低血糖

本試験において重大な又は血糖値確定症候性低血糖を発現した患者の割合は、リベルサス®14mg群で1.7%(7/410例)、エンパグリフロジン25mg群で2.0%(8/409例)であった。

低血糖の概要(副次的評価項目)

■安全性

社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4223)

有害事象の発現割合は、リベルサス®14mg群で70.5%(289/410例)、エンパグリフロジン25mg群で69.2%(283/409例)であり、主な有害事象はリベルサス®14mg群では悪心19.8%(81/410例)、下痢9.3%(38/410例)、エンパグリフロジン25mg群ではインフルエンザ5.1%(21/409例)、下痢3.2%(13/409例)などであった。
重篤な有害事象はリベルサス®14mg群で27例41件(急性心筋梗塞、慢性心不全、肺炎、胆嚢炎、失神、各2件、狭心症、不整脈、左脚ブロック、心筋梗塞、心室性頻脈、気管支炎、大腸菌性尿路感染、軟骨膜炎、卵管卵巣膿瘍、明細胞型腎細胞癌、浸潤性乳管癌、直腸腺癌、肺扁平上皮癌、胆嚢切除、冠動脈ステント挿入、膝関節形成、腹痛、膵炎、小腸閉塞、胆石症、椎間板突出、変形性関節症、急性腎障害、腎結石症、凝固低下状態、耳出血、アナフィラキシー反応、術後深部静脈血栓症、子宮頚部上皮異形成、睡眠時無呼吸症候群、高血圧、各1件)が、エンパグリフロジン25mg群で37例56件(心房細動3件、虚血性脳卒中、一過性脳虚血発作、高血圧、各2件、急性心筋梗塞、慢性心不全、急性冠症候群、不安定狭心症、第二度房室ブロック、冠動脈疾患、肺炎、肛門膿瘍、胃腸炎、細菌性髄膜炎、敗血症性ショック、尿路性敗血症、創傷感染、浸潤性乳管癌、基底細胞癌、鼡径ヘルニア、急性膵炎、消化性潰瘍、胆石症、急性胆管炎、急性胆嚢炎、背部痛、頭部変形、骨軟骨症、CANVAS症候群、脳血管発作、脳血管障害、構音障害、ラクナ梗塞、振戦、急性腎障害、背部損傷、大腿骨頚部骨折、恥骨骨折、卵巣嚢胞、子宮脱、呼吸不全、末梢血管障害、無力症、胸痛、歩行障害、非心臓性胸痛、冠血管造影、肝酵素上昇、糖尿病性ケトアシドーシス、低カリウム血症、乳酸アシドーシス、各1件)が報告された。また、投与中止に至った有害事象はリベルサス®14mg群で44例83件(悪心21件、嘔吐12件、腹痛5件、下痢、食欲減退、各4件、上腹部痛3件、腹部膨満、無力症、各2件、腹部不快感、消化不良、胃炎、胃食道逆流性疾患、膵炎、急性膵炎、小腸閉塞、急性腎障害、着色尿、腎結石症、腎機能障害、薬物不耐性、アミラーゼ増加、胃内pH低下、リパーゼ増加、体重減少、急性心筋梗塞、左脚ブロック、頻脈、心室性頻脈、胆嚢炎、胆石症、脂肪肝、嗜眠、失神、不眠症、パニック発作、回転性めまい、術後深部静脈血栓症、直腸腺癌、各1件)が、エンパグリフロジン25mg群で18例30件(悪心、多尿、尿路感染、各2件、嘔吐、下痢、糖尿病性ケトアシドーシス、尿失禁、無力症、倦怠感、急性冠動脈症候群、心房粗動、慢性心不全、頭痛、ラクナ梗塞、不随意筋収縮、失神寸前の状態、傾眠、挫傷、大腿骨頸部骨折、恥骨骨折、胃腸炎、尿路性敗血症、外陰腟真菌感染、関節痛、皮膚炎、多汗症、末梢血管障害、各1件)が報告された。
エンパグリフロジン25mg群で1例(死因未確定)の死亡が報告された。

有害事象の発現割合(いずれかの投与群で5%以上発現した有害現象)

【リベルサス®錠の用法及び用量/用法及び用量に関連する注意】

6. 用法及び用量
通常、成人には、セマグルチド(遺伝子組換え)として1日1回7mgを維持用量とし経口投与する。ただし、1日1回3mgから開始し、4週間以上投与した後、1日1回7mgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、1日1回14mgに増量することができる。

7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.1 本剤の吸収は胃の内容物により低下することから、本剤は、1日のうちの最初の食事又は飲水の前に、空腹の状態でコップ約半分の水(約120mL 以下)とともに3mg錠、7mg錠又は14mg錠を1錠服用すること。また、服用時及び服用後少なくとも30分は、飲食及び他の薬剤の経口摂取を避けること。分割・粉砕及びかみ砕いて服用してはならない。[電子添文16.2.1-16.2.3参照]

【エンパグリフロジンの国内の用法及び用量】(抜粋)
<2型糖尿病>通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。

ADA:米国糖尿病学会 CI:信頼区間 EOR:群間比の推定値 ETD:群間差の推定値 FAS:最大の解析対象集団 SAS:安全性解析対象集団 SMBG:血糖自己測定値象集団

禁忌を含む使用上の注意】等はこちらをご参照ください。

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