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作用機序

キュビシン®の作用機序

キュビシン®はグラム陽性菌の細胞膜にカルシウムイオン濃度依存的に結合及び浸透し、細胞膜中でオリゴマーを形成(ミセル化)して、膜電位の脱分極を引き起こし、カリウムイオンを流出させます。その結果、蛋白質、DNA及びRNAの合成を阻害し、溶菌を引き起こすことなく細菌が死滅します。1)~5)

キュビシン®の作用機序に関する仮説モデル

Step1 カルシウムイオン濃度依存性の細胞膜への結合/浸透

キュビシン®がCa2+濃度依存的に菌の細胞膜に結合し、膜中に挿入される。

Step2 キュビシン®のオリゴマー形成(ミセル化)

膜に挿入されたキュビシン®がオリゴマーを形成することにより、イオン透過性の構造(チャネル、孔、あるいは凝集体)が生じる。このstepは仮説の域を出ないが、物理化学的な検討により、キュビシン®分子がかかわるイオン透過経路の形成には、複数の分子からなる格子様構造が必要と考えられる。

Step3 膜電位の脱分極、細胞からのカリウムイオンの流出

このイオン透過性の構造が細胞膜機能に障害を与え、細胞内K+の流出をもたらす。

1)Silverman JA, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2003; 47(8): 2538-2544.
[利益相反:Silvermanはキュビスト社(現MSD)の社員。]
2)Canepari P, et al., Antimicrob Agents Chemother. 1990; 34(6): 1220-1226.
3)Laganas V, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2003; 47(8): 2682-2684.
[利益相反:著者全員がキュビスト社(現MSD)の社員。]
4)Hobbs JK, et al., J Antimicrob Chemother. 2008; 62(5): 1003-1008.
[利益相反:Chopra、O’Neillはキュビスト社(現MSD)から研究助成金を受領。]
5)社内資料:効力を裏付ける試験

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