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HPVワクチンに関する副反応について

HPVワクチンに関する副反応について
HPVワクチン接種⇔多様な症状の発現

両者の間には因果関係が認められないことが国内外の研究グループにより報告されています。

日本における疫学調査「Nagoya study」をはじめ、国内外の報告をご紹介します。


Nagoya studyとは?

Suzuki S et al. Papillomavirus Research. 2018; 5: 96-103.

HPVワクチン接種と、ワクチン接種後に報告された「多様な症状」との関連性を観察した分析疫学研究

HPVワクチン接種と、ワクチン接種後に報告された「多様な症状」との関連性を観察した分析疫学研究

要因と結果のクロス集計によりオッズ比を算出し、その因果関係を観察した分析疫学研究です。


HPVワクチン接種と、ワクチン接種後に報告された「多様な症状」との関連性を観察した分析疫学研究
調査された24の症状

[方法]名古屋市で1994年4月2日~2001年4月1日に生まれた女性(2010年4月1日時点9~15歳)71,177人に対して、2015年9月に郵便による匿名のアンケート調査を実施し、回答が得られた29,846人を対象に24の症状の発生とHPVワクチン接種の有無について検討した。年齢調整オッズ比および95%信頼区間はロジスティック回帰分析を用いて解析した。
[主要評価項目]HPVワクチン接種と24の症状の発生
[Limitation]本調査においては、回答率が完全ではなかったため、選択バイアスを生じた可能性があり、それらが結果に影響を及ぼした可能性がある。
本調査では、極めて稀な症状については尋ねていない。24の症状は、ガイドラインや医師による診断ではなく、自己申告による症状を用いた。また、HPVワクチン接種前に発生した症状は完全には除外しなかった。これは、HPVワクチンを接種した参加者のみが接種日を有しており、HPVワクチン接種群からそれらの症状を除いた場合、比較の妥当性に抵触するためであった。HPVワクチン接種と症状発症の時間的関係は潜在的な限界であった。

調査の結果、HPVワクチン接種との間に有意な関連性は認められず

24の症状は、非接種者においても一定数認められ、年齢調整された分析では、24の症状とHPVワクチン接種との間に有意な関連性は認められませんでした。

ガーダシル®電子添文の副反応および臨床成績の安全性の結果を参照

Nagoya study 詳細を見る


日本におけるその他の安全性報告


2015年
副反応追跡調査

副反応追跡調査

HPVワクチンを販売開始から平成26年11月までに接種した約338万人(約890万回接種)のうち、副反応疑い報告があったのは2,584人(被接種者約338万人の0.08%【のべ接種回数約890万回の0.03%】)

第15回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
(2015年9月17日開催)資料4-1 副反応追跡調査結果について


2016年
全国疫学調査(祖父江班)

HPVワクチンの接種歴がなくても「多様な症状」を呈する者が一定数存在

HPVワクチン接種歴のない者においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を呈する者が、一定数存在した。本調査によって、HPVワクチン接種と接種後に生じた症状との因果関係は言及できない。

第23回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(2016年12月26日開催)
資料4 全国疫学調査(子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究)

日本においては、HPVワクチンの販売開始から副反応追跡調査が実施されています。また、厚生労働省の研究班である祖父江班による全国疫学調査が実施されました。本調査の結果、HPVワクチン接種歴のない者においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の“多様な症状”を呈する者が、一定数存在し、HPVワクチン接種と接種後に生じた症状との因果関係は言及できないと結論づけられました。

ガーダシル®電子添文の副反応および臨床成績の安全性の結果を参照

 日本における安全性報告 詳細を見る


HPVワクチンに限らず、ワクチンの接種にはリスクとベネフィットが存在します。対象者への正しい情報提供と適正な接種、さらには接種後の適切な対応が大切です。

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