作用機序
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*BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法
膵癌:作用機序1, 2
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正常細胞におけるDNA損傷の修復
DNAは、紫外線などの日常のさまざまな刺激によって損傷を受けるが、正常な細胞では修復される。DNA損傷のタイプが一本鎖切断の場合には、主にPARPが働いて塩基除去修復による修復が行われる。一方、損傷のタイプが二本鎖切断の場合には、主にBRCAやATM、RAD51などが働いて、相同組換え修復による修復が行われる。
![正常細胞におけるDNA損傷の修復](https://www.msdconnect.jp/wp-content/uploads/sites/5/2021/06/LYNPA-MOA_01.png)
相同組換え修復ができない膵癌では、プラチナ感受性を示すと考えられる
プラチナ製剤は、DNAの二本鎖切断を増加させる。このとき、BRCA遺伝子変異などにより相同組換え修復経路に異常がみられる膵癌では、二本鎖切断の修復を十分に行えず、プラチナ感受性を示すと考えられる。
![相同組換え修復ができない膵癌では、プラチナ感受性を示すと考えられる](https://www.msdconnect.jp/wp-content/uploads/sites/5/2021/06/LYNPA-MOA_02.png)
リムパーザの作用機序
リムパーザは、PARPを阻害することによって一本鎖切断修復を担う塩基除去修復が働くのを妨げる(①)。修復されないDNAの一本鎖切断は、DNA複製の過程で二本鎖切断に至る(②)。相同組換え修復ができない膵癌細胞では、二本鎖切断を修復できずに細胞死に至る(③)。
![リムパーザの作用機序](https://www.msdconnect.jp/wp-content/uploads/sites/5/2021/06/LYNPA-MOA_03.png)
- Murai J, et al. Cancer Res. 2012; 72(21): 5588-99.
- Farmer H, et al. Nature. 2005; 434(7035): 917-21.
- Golan T, et al. J Clin Oncol. 2020; 38(13): 1442-54.
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