共有する

臨床成績

臨床成績

海外第Ⅲ相臨床試験
[REST(Rotavirus Efficacy and Safety Trial):006試験]

ロタテック®の予防効果【海外データ】

ロタテック®は主要評価項目として重症度を問わないロタウイルス胃腸炎を74.0%抑制しました。
また、副次評価項目として、外来受診例は86.0%、保護者の労働損失日数は86.6%減少しました。

ロタウイルス胃腸炎およびロタウイルス胃腸炎による医療機関利用および労働損失の抑制

安全性

安全性コホートにおける接種後42日間の腸重積症は、ロタテック®群が6例、プラセボ群5例であった。接種後42日間のロタテック®群の重篤な有害事象の発現は803例、死亡例は14例でした。(内訳:乳児突然死症候群6例、頭部損傷・交通事故、死亡、心房中隔欠損症・肺炎・脂肪肝、急性腎盂腎炎、窒息、悪性新生物、突然死、細菌性髄膜炎・肺炎 各1例ずつ) 接種後42日間での中止例は2,838例で、その理由は有害事象214例、治験実施計画書逸脱960例、同意撤回182例、追跡不能68例、転居203例、その他1,211例でした。

詳細な安全性コホートにおける接種後42日間に発現した有害事象ロタテック®群では、4,068/4,795例(84.8%)に認められました。主な有害事象は、発熱1,963例(41%)、上気道感染1,219例(25%)、下痢945例(20%)、易刺激性878例(18%)でした。プラセボ群では、4,113/4,781例(86.0%)に有害事象が認められました。主な有害事象は、発熱2,058例(43%)、上気道感染1,269例(27%)、下痢915例(19%)、易刺激性860例(18%)でした。(MedDRA version 7.1)

※:追跡を行った被験者数

【試 験】
国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験

【対 象】
初回接種時の年齢が生後6~12週目の健康乳児を対象とし、5つのコホートで構成した。安全性コホートは4つのコホートを含み、すべての症例を対象とした。安全性コホート:ロタテック®群34,644例、プラセボ群34,630例、詳細な安全性コホート:ロタテック®群4,826例、プラセボ群4,821例、台湾コホート:ロタテック®群およびプラセボ群189例、有効性コホート:ロタテック®群2,841例、プラセボ群2,845例、米国での併用コホート:ロタテック®群662例、プラセボ群696例

【方 法】
腸重積症の発現および有効性、免疫原性および安全性を評価することを目的とし、ロタテック®群またはプラセボ群に無作為に割り付け、計3回、4~10週(28~70日)の間隔で経口接種した。ロタテック®およびプラセボ3回接種後14日以降にロタウイルス胃腸炎を発症した症例を調査した。2回目のロタウイルス感染シーズンまで追跡した。

主要評価項目:
有効性  1回目のロタウイルス感染シーズンまでのG1、G2、G3またはG4遺伝子型(血清型)に起因したロタウイルス胃腸炎(重症度を問わない)予防効果(有効性コホート)
安全性  治験薬各接種後42日間に発症した腸重積症(安全性コホート)

副次評価項目:
有効性  ・ ロタウイルス胃腸炎に関する医療機関利用状況(入院および救急外来受診)(安全性コホート)
     ・ ロタウイルス胃腸炎に関する医療機関利用状況(外来受診)(有効性コホート)
     ・ 保護者の労働損失日数(安全性コホート)
     ・ G1、G2、G3およびG4遺伝子型(血清型)に起因した中等度~重度または重度のロタウイルス胃腸炎など(有効性コホート)
安全性  いずれかの接種後7日間、14日間および60日間並びに初回接種後365日以内に発症した腸重積症(安全性コホート)
免疫原性 血清中和抗体反応(有効性コホートの部分集団によるサブ解析を実施)

【解析計画】
各ロタウイルス胃腸炎発症例、クリニカルスコアリングシステムに基づきクリニカルスコアを算出し、重症度を判定した。プラセボと比較した予防効果の95%CIの下限値が>35%の場合、有効性に関する統計学的基準を満たすとし、正確な二項検定を使用した。

海外第Ⅲ相臨床試験(006試験)(承認時評価資料)
Vesikari T et al. N Engl J Med 2006 ; 354(1):23-33.
【利益相反】Vesikari T、Marshall GSはMSD社からのコンサルタント謝礼、講師謝金、研究助成費の授受がある。Matson DOら3名はMSD社からのコンサルタント謝礼もしくは講師謝金と研究助成費の授受がある。Dennehy Pら8名はMSD社からの研究助成費の授受がある。Shinefield HRら2名はMSD社からの研究助成費の授受があり、MSD株を保有している。Clark HF、Offit PAはRotaTeq®の特許を共同で取得している。Dallas MJら10名はMSD社の社員、Campens Dは仏SPMSDの社員である。

スコア
症状123
下痢
 便の回数/日
 期間(日)
2~4
1~4
5~7
5~7
≧8
≧8
嘔吐
 嘔吐の回数/日
 期間(日)
1~3
2
4~6
3~5
≧7
≧6
直腸温
 温度(摂氏)
 期間(日)
38.1~38.2
1~2
38.3~38.7
3~4
≧38.8
≧5
行動に関する症状
 具体的な症状
 期間(日)
むずかる/元気がない
1~2
よく眠る/だるそう
3~4
発作・痙攣
≧5

個々の症状の重症度と持続期間の両方に対するスコアを加算した合計スコアが2~8点は軽度、9~16点は中等度、16点を超えた場合は重度とする。

Vesikari T et al. N Engl J Med 2006; 354: 23-33.

海外第Ⅲ相臨床試験(REST:006試験)と
FES(Finnish extension study)の統合解析

ロタウイルス胃腸炎による入院および救急外来受診の抑制効果
(遺伝子型別、最長3.1年追跡)【海外データ】

ロタテック®は、5つの遺伝子型(血清型)によるロタウイルス胃腸炎に対し、
入院および救急外来受診を抑制しました。

海外第Ⅲ相臨床試験(REST:006試験)と FES(Finnish extension study)の統合解析 ①ロタテック®の予防効果[遺伝子型(血清型別)]【海外データ】 ロタテック®は遺伝子型(血清型)G1、G2、G3、G4およびG9によるロタウイルス胃腸炎での入院および救急外来受診回数を81.9~95.5%抑制しました。  図:ロタウイルス胃腸炎による入院および救急外来受診回数の抑制

安全性

本論文中に記載なし。FES試験は、REST試験の延長試験のため、ロタウイルスワクチン接種時の安全性として、REST試験での安全性を下記に示します。REST試験の対象は、初回接種時の年齢が生後6~12週目の健康乳児69,274例、ならびに有効性コホート5,686例(ロタテック®群2,841例、プラセボ群2,845例)です。

安全性コホート(69,274例)における、接種後42日間の腸重積症は、ロタテック®群が6例、プラセボ群5例でした。接種後42日間のロタテック®群の重篤な有害事象の発現は803例、死亡例は14例でした。(内訳:乳児突然死症候群6例、頭部損傷・交通事故、死亡、心房中隔欠損症・肺炎・脂肪肝、急性腎盂腎炎、窒息、悪性新生物、突然死、細菌性髄膜炎・肺炎 各1例ずつ)接種後42日間での中止例は2,838例で、その理由は有害事象214例、治験実施計画書逸脱960例、同意撤回182例、追跡不能68例、転居203例、その他1,211例でした。

詳細な安全性コホートにおける接種後42日間に発現した有害事象は、ロタテック®群で4,068/4,795例(84.8%)に認められました。主な有害事象は、発熱1,963例(41%)、上気道感染1,219例(25%)、下痢945例(20%)、易刺激性878例(18%)でした。プラセボ群では、4,113/4,781例(86.0%)に有害事象が認められました。主な有害事象は、発熱2,058例(43%)、上気道感染1,269例(27%)、下痢915例(19%)、易刺激性860例(18%)でした。(MedDRA version 7.1)

※:追跡を行った被験者数

【試 験】
二重盲検プラセボ対照試験として行われたREST(006試験)後に、フィンランドの乳幼児を対象とした延長試験[FES(the Finnish extension study)]

【対 象】
REST試験:ロタテック®群34,644例、プラセボ群34,630例
FES試験:ロタテック®群10,367例、プラセボ群10,365例

【方 法】
ロタテック®接種によるロタウイルス胃腸炎に起因する入院および救急外来受診の2年以上の予防効果を評価するために、RESTの対象のうち、フィンランドの乳幼児をREST終了後FESに登録し、3回目接種後最大約3.1年追跡した。3回接種後14日以降から遺伝子型(血清型)G1、G2、G3、G4およびG9に起因したロタウイルス胃腸炎での入院および救急外来受診と腸重積症の発症について調査した。

【解析計画】
ポアゾン数比の正確な二項法を用いて95%CIを推定した。


Vesikari T et al. Pediatr Infect Dis J 2010;29:957-963. より作図
【利益相反】Vesikari TはMSD社とSPMSD社のコンサルタント、演者である。Karvonen AはCOIなし。Ferrante SA、Kuter BJ、Ciarlet MはMSD社員である。

米国 ロタテック®市販後研究

1~7歳 各年齢におけるロタテック®の予防効果【海外データ】

ロタテック®は、1~7歳の各年齢で予防効果を示しました。

安全性

本論文中に安全性に関する記載はありませんでした。
安全性情報は電子添文をご参照ください。

【試験】
急性胃腸炎で入院または救急外来を受診した8歳未満の小児のうち、ロタウイルス陽性例を症例群、
陰性例を対照群として、ワクチン接種状況を比較し、ロタウイルスワクチンの有効性を評価した症例
対照研究。

【対象】
2011年12月~2012年11月、2012年12月~2013年11月に急性胃腸炎のために7つの施設にて入院もし
くは救急外来を受診した8歳未満の患児
*ロタテック®が発売された2006年4月1日以降に出生し、少なくとも生後8カ月以上

【方法】
採取した患児の糞便検体を用いて、酵素免疫学的検査によりロタウイルス感染を特定。ロタウイルス
ワクチン接種歴を調査しcase-control比較を行った。

【解析項目】
ロタウイルス胃腸炎による入院・救急外来受診に対するロタウイルスワクチンの予防効果

【解析計画】
ワクチンの有効性は(1-オッズ比)×100と定義し、調整オッズ比(生年月、症状発現の年月、施
設で補正)、95%信頼区間はロジスティック回帰分析で算出

Payne DC et al. Clin Infect Dis 2015 ; 61(12) : 1792-1799.より作図
【利益相反】Staat MAはMSD社から研究助成費の授受があり、ロタウイルス諮問委員会のメンバー、
Bernstein DIはMSD社から研究助成費の授受がある。他の著者はCOIなし。

関連コンテンツ


ロタテック®・ワクチン関連領域情報

関連製品