ロタウイルス胃腸炎の特徴
ロタウイルス胃腸炎の特徴
ロタウイルス胃腸炎による疾病負担
- 年間28.5人が死亡、85.5人が脳炎・脳症を合併1
国内データ :ロタウイルス感染症による突然死、脳炎・脳症
※ロタウイルスワクチン発売前後含む。 - 入院は15〜43人に1人2~5
国内データ :5歳までの推定人数
※ロタウイルスワクチン発売前 - 外来受診はおよそ2人に1人6
国内データ :小学校入学までの推定人数
※ロタウイルスワクチン発売前 - 入院の場合:117,208円
経静脈補液の場合:61,044円
外来受診の場合:46,823円7
国内データ :ロタウイルス胃腸炎発生時の生産性損失
※ロタウイルスワクチン発売前
1. Hattori F et al. Pediatr Int 2018 ; 60(3) : 259-263.
2. Nakagomi T et al. J Infect Dis 2005 ; 192(S1) : S106-110.
3. Kamiya H et al. J Infect Dis 2009 ; 200(S1) : S140-146.
4. Ito H et al. Vaccine 2011 ; 29(44) : 7807-7810.
5. Kamiya H et al. Jpn J Infect Dis 2011 ; 64(6) : 482-487.
6. Yokoo M et al. Jpn J Infect Dis 2004 ; 57(4) : 166-171.
7. 池田俊也 他. 厚生労働省科学研究費補助金新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業分担研究報告書(平成26年度)
ロタウイルスの感染経路と感染力
- 感染経路は主に糞口感染1
- 1011(1千億)個のウイルスが1gの糞便中に存在します2
- 感染力が強い、安定したウイルスです1
- 1~10個のウイルスが口に入るだけで感染が成立するとも言われています3
ロタウイルス感染症の症状4,5
- 激しい下痢(白色水様便:とぎ汁様)
- 激しい嘔吐、高熱、脱水
ロタウイルス胃腸炎の治療
- 抗ウイルス薬などの特殊な治療法はなく、対症療法が中心となります6
1. Fischer TK et al Vaccine 2004; 22 Suppl 1: S49-54.
2. Dennehy PH. Pediatr Infect Dis J. 2000; 19: S103-105.
3. 谷口孝喜. 小児科診療 2007; 70: 2283-2287.
4. Raebel MA, Ou BS. Pharmacotherapy 1999; 19: 1279–1295.
5. Clark HF et al. Pediatr Ann 2004; 33: 537–543.
6. 佐藤吉壮. 化学療法の領域 2007; 23(S-1): 17-24.
ロタウイルスは車輪状の、分節したRNAをもつウイルスです。
ロタウイルスは車輪状で、外層と内層のカプシドおよび内部のコア蛋白からなる粒子です。
このうち、外層表面のVP7と外層表面の突起状のVP4はそれぞれGおよびP型を決定する蛋白であり、ウイルスの中和に関係する主な抗原となります。
図:ロタウイルス
開発当時、ロタウイルス胃腸炎の原因となるウイルスの遺伝子型はG1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]
およびG9P[8]の5つで全体の91.2%を占めていました。
図:ロタウイルス遺伝子型(血清型)の世界的な分布【海外データ】
ロタウイルスの流行する遺伝子型は年によって変動します。
図:ロタウイルス遺伝子型(血清型)のシーズン別*分布【日本】