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開発の経緯

開発の経緯

GLP-1は小腸のL細胞から分泌されるインクレチンと呼ばれるホルモンのひとつであり、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進し、血糖降下作用を示すことが知られています。

一方で、内因性GLP-1はインクレチン分解酵素であるDPP-4により急速に分解されることから、GLP-1を2型糖尿病治療に応用するため、DPP-4に対する安定性を高めたGLP-1受容体作動薬が開発されました。

GLP-1受容体作動薬は内因性GLP-1と同様の効果を有するように設計されていますが、GLP-1が持つ治療上の潜在能力を十分に発揮させるためには、薬物動態及び薬力学的作用の持続性が重要となります。

ノボ ノルディスク社が開発したセマグルチド(遺伝子組換え)(以下、セマグルチド)は、生体内のGLP-1と94%の構造的な相同性を有するGLP-1アナログで、化学構造に重要な修飾を加えたことで、その半減期は約1週間まで延長されました。

セマグルチドを有効成分とする週1回皮下投与製剤は、米国及び欧州をはじめ、世界71か国で発売されています(2023年2月時点)。

日本では、週1回皮下投与製剤が2018年3月に、また、剤形追加として単回投与製剤が2020年3月に承認されました。

セマグルチドの経口投与製剤であるリベルサス®錠は、GLP-1受容体作動薬として初めて経口投与を実現した薬剤であり、国内外の10に及ぶ一連の臨床試験プログラム(PIONEER)(内、4試験は日本人を含む国際共同試験、2試験は国内臨床試験)1-10) を通じて、2型糖尿病患者における本剤1日1回1錠投与による有効性・安全性データが報告されています。

リベルサス®錠は、米国、カナダ、デンマーク、スイス、オランダ、スウェーデン、英国など、39カ国で販売されています(2023年2月時点)。

日本では2019年7月に承認申請し、2020年6月に「2型糖尿病」を効能又は効果として製造販売承認を取得、2021年2月に販売を開始しました。

【参考文献】

  1. 社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4233)(承認時評価資料)
    Aroda VR et al.:Diabetes Care 42(9):1724-1732, 2019
  2. Rodbard HW et al.:Diabetes Care 42(12):2272-2281, 2019
    社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4223)
  3. 社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4222)(承認時評価資料)
    Rosenstock J et al.:JAMA 321(15):1466-1480, 2019
  4. 社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4224)(承認時評価資料)
    Pratley R et al.:Lancet 394(10192):39-50, 2019
  5. 社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4234)(承認時評価資料)
    Mosenzon O et al.:Lancet Diabetes Endocrinol 7(7):515-527, 2019
  6. 社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4221)(承認時評価資料)
    Husain M et al.:N Engl J Med 381(9):841-851, 2019
  7. Pieber TR et al.:Lancet Diabetes Endocrinol 7(7):528-539, 2019
  8. 社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4280)(承認時評価資料)
    Zinman B et al.:Diabetes Care 42(12):2262-2271, 2019
  9. 社内資料:リベルサス®錠 第2/3相臨床試験(NN9924-4281)(承認時評価資料)
    Yamada Y et al.:Lancet Diabetes Endocrinol 8(5):377-391, 2020
  10. 社内資料:リベルサス®錠 第3相臨床試験(NN9924-4282)(承認時評価資料)
    Yabe D et al.:Lancet Diabetes Endocrinol 8(5):392-406, 2020

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