製品基本Q&A
製品基本Q&A
ザバクサ®
製品情報
本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。
4. 効能又は効果
〈適応菌種〉
本剤に感性のレンサ球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、インフルエンザ菌、緑膿菌
〈適応症〉
敗血症、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍
5. 効能又は効果に関連する注意
〈効能共通〉
5.1 本剤の使用に際しては、β-ラクタマーゼの関与が考えられ、本剤に感性の原因菌による感染症である場合に投与すること。
〈肺炎〉
5.2 臨床試験の対象が院内肺炎患者であったことを踏まえ、適切な患者に投与すること。[17.1.5参照]
タゾバクタムは多くのAmblerクラスAのβ-ラクタマーゼ(CTX-M、SHV、TEM)に対して阻害作用を示すことによりセフトロザンが加水分解されることを防ぎます。セフトロザンはセファロスポリン系に属する抗菌薬で、細菌のペニシリン結合蛋白質に作用し、細胞壁合成を阻害して殺菌作用を示します。本剤は、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼや他のタイプのβ-ラクタマーゼ(TEM、SHV、CTX-M、OXA)産生の腸内細菌科細菌に対して抗菌活性を示し、また、染色体性AmpC産生、菌体外膜蛋白質のポーリン(OprD)欠損あるいは排出ポンプ(MexXY、MexAB)の亢進した緑膿菌に対しても抗菌活性を示します。
<引用>
電子添文
使用方法
本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。
6. 用法及び用量
〈膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍〉
通常、成人には1回1.5g(タゾバクタムとして0.5g/セフトロザンとして1g)を1日3回60分かけて点滴静注する。
なお、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍に対しては、メトロニダゾール注射液と併用すること。
〈敗血症、肺炎〉
通常、成人には1回3g(タゾバクタムとして1g/セフトロザンとして2g)を1日3回60分かけて点滴静注する。
7. 用法及び用量に関連する注意
〈効能共通〉
7.1 腎機能障害のある患者(CLCRが50 mL/min以下)に対しては下表を参考に本剤の用量を調節すること。[8.3、9.2、9.8、16.6.1参照]
〈膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍〉
〈敗血症、肺炎〉
〈腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍〉
7.2 本剤単独投与時の有効性及び安全性の検討を目的とした臨床試験は実施していない。併用するメトロニダゾール注射液の用法・用量、使用上の注意等は、メトロニダゾール注射液の電子添文に従うこと。[17.1.3、17.1.4参照]
〈敗血症、肺炎〉
7.3 本剤の適応菌種等を踏まえ、必要に応じてグラム陽性菌に抗菌活性を有する適切な薬剤を併用して治療を行うこと。[17.1.5参照]
本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。
9.8 高齢者
腎機能検査を行うことは有用であり、腎機能に応じて用量を調節すること。一般的に腎機能が低下しているため、用量選択には注意が必要である。[7.1、8.3、9.2参照]
本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。セフトロザンが動物において胎盤を通過するかどうかは不明である。セフトロザンの動物実験(ラット)において、妊娠及び授乳期間中に300 mg/kg/日[本剤3g(タゾバクタム1g、セフトロザン2g)を60分かけて点滴静注で8時間ごとに反復投与した際のセフトロザンの臨床曝露量を下回る用量]以上を投与したとき、生後60日の出生児に聴覚性驚愕反応の低下が認められた。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。タゾバクタム及びセフトロザンがヒト乳汁中へ移行するかは不明である。
本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
過量投与時には、本剤の投与を中止し、一般的な対症療法を行ってください。
本剤は血液透析により体内から除去されます。本剤750mg(タゾバクタム250mg、セフトロザン500mg)を末期腎不全患者に投与した試験では、タゾバクタムの約56%、タゾバクタム代謝物M1の約51%、セフトロザンの約66%が透析により除去されました(1)。
<引用>
(1)インタビューフォーム
母集団薬物動態解析においてセフトロザン及びタゾバクタムの曝露量は体重により臨床的に意味のある影響は認められなかったことから、用量調節は必要ありません(1)。
<引用>
(1)申請資料概要(2019年1月08日) 2.7.2.3.2.3 体重
安全性
本剤の電子添文には、以下のとおり記載されています。
8. 重要な基本的注意
8.1 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1参照]
8.1.1 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
8.1.2 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.1.3 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.2 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.3 本剤の投与前及び投与中は、定期的に腎機能検査を実施すること。[7.1、9.2、9.8、11.1.3参照]
本剤の国内外で実施された第Ⅲ相試験における主な副作用は、以下のとおりです。
〈膀胱炎、腎盂腎炎〉
17.1.1 国内第Ⅲ相試験(014試験)
腎盂腎炎又は複雑性膀胱炎患者を対象に実施した国内第Ⅲ相試験において、本剤の投与を受けた114例中20例(17.5%)に副作用が認められました。主な副作用は下痢6例(5.3%)、ALT増加6例(5.3%)、AST増加4例(3.5%)、γ-GTP増加2例(1.8%)、肝機能異常2例(1.8%)でした。
17.1.2 海外第Ⅲ相試験(10-04/05試験)
腎盂腎炎又は複雑性膀胱炎患者を対象に実施した海外第Ⅲ相試験において、本剤の投与を受けた530例中55例(10.4%)に副作用が認められました。主な副作用は頭痛10例(1.9%)、悪心7例(1.3%)、AST増加7例(1.3%)、ALT増加6例(1.1%)でした。
〈腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍〉
17.1.3 国内第Ⅲ相試験(013試験)
複雑性腹腔内感染症患者を対象に実施した国内第Ⅲ相試験において、本剤の投与を受けた100例中19例(19.0%)に副作用が認められました。主な副作用はAST増加11例(11.0%)、ALT増加9例(9.0%)、下痢3例(3.0%)、悪心2例(2.0%)でした。
17.1.4 海外第Ⅲ相試験(10-08/09試験)
複雑性腹腔内感染症患者を対象に実施した海外第Ⅲ相試験において、本剤の投与を受けた472例中38例(8.1%)に副作用が認められました。主な副作用は下痢12例(2.5%)、悪心10例(2.1%)でした。
〈敗血症、肺炎〉
17.1.5 国際共同第Ⅲ相試験(008試験)
人工呼吸器を装着している院内肺炎患者726例(日本人13例、うち本剤投与5例を含む)を対象に実施した国際共同第Ⅲ相試験において、本剤の投与を受けた361例中38例(10.5%)に副作用が認められました。主な副作用は下痢4例(1.1%)、クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎4例(1.1%)、肝酵素上昇4例(1.1%)、肝機能検査異常4例(1.1%)でした。
<引用>
電子添文
その他
貯法は、2~8℃です。
外箱開封後は遮光して保存してください。
<引用>
電子添文
投与期間に関して明確な制限はありません。
電子添文の重要な基本的注意に一般的な注意として「疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。」と記載されています(1)。
<引用>
電子添文