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1分で読める睡眠豆知識 ~快適に目覚められる「音」~

1分で読める睡眠豆知識 ~快適に目覚められる「音」~

睡眠惰性を短くすることが重要

突然ですが、今朝の目覚めは快適でしたか? そして、どのような方法で目覚めましたか?
たとえ適度な時間かつ良質な睡眠が取れていたとしても、目覚めが悪ければ朝から気分は台なしです。注意すべきは気分だけではありません。大音量のアラームによる起床は、脳が危険と認識して交感神経が急激に刺激され、心拍や血圧の急上昇につながりかねません。

目覚めた直後のぼんやりして気だるい状態を「睡眠惰性(sleep inertia)」「睡眠酩酊(sleep drunkenness)」と呼びます。通常は起床後20〜30分ほどで完全に覚醒するようですが、長ければ4時間もの間、記憶力や集中力に悪影響を及ぼす生理現象であり、注意が必要です。つまり、心地良い目覚めを得るには、この睡眠惰性をいかに短くできるかが重要といえるのです。

目覚めが良いのはメロディー音

睡眠惰性の減少について、オーストラリア・ロイヤルメルボルン工科大学のMcFarlane氏らが興味深い研究を行っています1)。「単調なブザー音(alarm tone)」「メロディーに富んだ歌(musical song)」「メロディーに富んだ楽器のみの曲(instrumental music)」「鳥の鳴き声や水のせせらぎなどの自然音(natural sounds)」の4種類のアラーム音を起床時に鳴らし、被験者が睡眠惰性を認識した頻度を4段階(少し、多少、しばしば、毎回)で評価したところ、メロディーに富んだと感じた音では目覚めが良かったことが示唆されました。ちなみに、メロディーは「リズム」や「ハーモニー」と並ぶ音楽を構成する3要素の1つです。

最近は、スマートフォンにあらかじめ用意されているアラーム音で目覚める人も多いようです。睡眠惰性が長く続く場合には、最も快適に目覚められるアラーム音を探してみるのも、解決策になるかもしれません。

<参考文献>

  1. Stuart J. McFarlane, et al. PLoS One 2020; 15: e0215788.

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